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 大泉町「あらゆる差別の撤廃をめざす人権擁護条例」についての質問・回答  (2017/5/19掲載)
3月31日、大泉町にて「あらゆる差別の撤廃をめざす人権擁護条例」が施行されましたが以前、 大泉町の移民(多文化共生社会)の視察レポートをされた方から、 この条例に関する懸念(人権の定義、人権侵害の定義と対応、人権対策審議会の設置)について大泉町役場に問い合わせをされましたので、その回答を以下に紹介いたします。 今後、注視する必要があるようです。

■□■ 以下、大泉役場への質問内容およびその回答です。 ■□■
大泉町に問い合わせをしておりました「人権擁護条例」について、電話にて回答をいただきました。担当部署の方(視察の件で面識があります)から丁寧にご説明いただいたのですが、 やはり現場レベルでは公表されているところ以上の内容は答えようがないようですね。以下私の質問事項と併せて回答をお知らせします。

1.「人権」の定義につきまして
 第1条に
>基本的人権と法の下の平等を定める日本国憲法及び世界人権宣言の基本理念を踏まえ
とありますが、
一般的な基本的人権である自由権、平等権、社会権、参政権、などであるとの解釈でよいでしょうか?

本条例は大泉町の理念を示す目的で、世界人権宣言に代表されるように「すべての人が人間らしく生きる権利」を想定して制定されたものです。

 ※質問者注)
近年注目されてきた女性の権利や子供の権利、人種によって差別されない権利、居住や移動の自由を制限されない権利、などを意識しているのでしょう。
特に、明言はされませんでしたが明らかにヘイストピーチ規制法を意識していると思われます。


2.「人権侵害」の定義と対応につきまして
>町及び町民等の責務等を定めることにより、
>人権侵害が生起しない、人権が擁護されたまちづくりを推進し、
>もってあらゆる差別のない社会の実現に寄与することを目的とする

とありますが、
「人権侵害」が生起したと考えられる場合、 たとえば対象者へ罰則を与えるような規則を盛り込むことも視野に入れているのでしょうか?
その場合「人権侵害」であることを認定するのはどのような責任者あるいは機関になるのでしょうか?

今のところ、罰則規定を設けるような予定はありません。あくまでも理念条例であって、大泉町の指針を示すものです。
人権問題についての判断、対策は人権対策審議会(次項)の助言により町長が決定します。



3.「大泉町人権対策審議会」の設置につきまして
 第5条に
>大泉町人権対策審議会の意見を聴くことができる
とありますが、
「大泉町人権対策審議会」のメンバーの選定はどのように行われ、どのような基準で選ばれるのでしょうか?
また、どの程度の権限を持ち、どのような責任を負うのか(罷免に関する基準や罰則等)わかっているものがあれば、教えていただけると幸いです。

町の区長会、人権擁護委員、男女共同参画委員、民生委員等を中心に町長が選定し、設置します。基準はそれぞれの委員の選定基準によります(法務局)。
審議会は町長の要請を受けて審議会を開き、決定した意見を町長へ返すことを業務とします。最終的な決定は町長が下します。
 必要な調査等も行うと考えられますが、警察が持つような捜査権を有することはありません。

 ※質問者注)
準拠法に則って決定するのが基本のようです。例えば人権擁護委員の場合、
市町村長が人権擁護委員にふさわしい地域の候補者(人格識見が高く,広く社会の実情に通じ,人権擁護について深い理解のある人)を選び,議会の意見を聞いた上で法務局(地方法務局)へ推薦します(人権擁護委員法第6条第3項)。
法務局レベルで組織的に「特定思想の人達」を送り込むこともできなくはないのでしょうが、まだなんとも言えません。

大泉町では今のところ外国籍の人が選ばれるようなことは想定していないそうです。
説明を受けた印象としては「あくまでも理念として制定したもの」という点を強調されておられました。
私の推測ですが、全国的なヘイトスピーチ規制の流れを受けて、外国人率日本一という町の特殊性を鑑みて制定に動いた、というところではないでしょうか。
人権擁護法案の危険性を理解していれば反対の声が上がりそうなものですが、地方の小さな町ですから「人権問題に真剣に取り組んでいます」という姿勢をアピールする狙いと言えば反対できないのでしょう。やはりヘイトスピーチ規制法が成立したことが大きいのではと感じました。
現状わかっているのはこの程度、ということで参考になれば。

私としては、過度に批判的になるのではなくあくまでも事実を正しく知り考える姿勢が大事かと思っています。
担当の方もまた不明な点があればいつでもお問い合わせくださいとのことで、協力的に接してくださるので有難いことと思います。

 群馬県大泉町 移民(多文化共生社会)の視察レポート!   (2017/3/8)
 群馬県の大泉町は「日本のブラジル」とも呼ばれ、日本の中でも移民の先進地域と知られています。 現在世界的に移民問題が取りざたされていて、私たちも基本的には安易な移民には反対であり過去に街宣も実施しました。 その日本においては、「人口減少に備えて」という理由付けで、経済界を中心に移民等の政策推進を望む声が絶えません。 そのような状況で、今回保守系の全国の地方議員・元議員が中心に活動をされている「龍馬プロジェクト」(会長:神谷宗幣前吹田市市議)の研修会にて、大泉町の多文化共生社会の視察が実施されました。 大泉町出身で龍馬プロジェクトの会員でもあり、私たちの仲間である方が事前に調査された上で視察に同行いたしました。 その貴重な報告をご覧頂き、群馬県民をはじめ同様な問題をかかえる方々にも参考としていただければと紹介いたしました。

 報告書では、大泉役場国際協働課・大泉警察署生活安全課・観光協会副会長(外国人労働環境と社会保障)・NPО法人(外国人の子供達の教育支援)から意見を聞いておられます。 外国人は町の人口の17%の約7000人であること。生活保護の受給世帯の23.8%が外国人であること。バブル時代から始まる人手不足に対する安易な解決策として、日系外国人を取り込んだことから発生する歪がみられます。 しかしそんな中にも、日本になじむために日々努力されている日系ブラジル人の方もおられることも報告されています。 詳しい内容は、下記から報告書をご覧になってください。

≪詳細報告書≫ 龍馬プロジェクト研修・群馬県大泉町視察報告

※「龍馬プロジェクト」http://www.ryouma-project.com/

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